赤外線を使った建物診断で外壁の浮きはどこまで分かる?

2026.09.14

外壁に細かなひびやタイルのふくらみが見えると、このままにしてよいのか気になりますよね。特に高い場所や建物の裏側は、脚立でのぞくのも不安ですし、目で見ただけでは外壁の中で何が起きているのか分かりにくいものです。マンションやアパート、工場や倉庫を管理している方にとっては、点検費用や入居者、利用者への影響も気になるところではないでしょうか。赤外線を使った建物診断は、外壁表面の温度差を手がかりに、浮きや剥離の疑いがある範囲を確認する方法です。ただし、万能な検査ではなく、天候や外壁の状態によって読み取り方が変わります。この記事では、建物診断で赤外線を使うと外壁の浮きがどこまで分かるのか、依頼前に知っておきたい点を分かりやすく整理します。

 

赤外線を使った建物診断で分かる外壁の浮きの範囲

赤外線を使った建物診断では、外壁の表面温度を画像として確認し、浮きや剥離が疑われる場所を把握します。見た目だけでは判断しにくい外壁の変化を、温度の違いとして見るための点検です。

温度差として表れやすい浮きや剥離

外壁材と下地の間にすき間ができると、熱の伝わり方が周囲と変わります。日射で温められたときや、夕方に冷めていくときに、健全な部分と浮いている部分で温度差が出ることがあります。赤外線診断では、この差を手がかりに浮きや剥離の疑いがある範囲を確認します。

目視だけでは判断しにくい劣化の可視化

外壁の浮きは、表面にひびやふくらみが出る前から進む場合があります。目視点検では見落としやすい変化も、赤外線画像では周囲と異なる色の分布として表れます。高所や広い壁面でも、全体の傾向をつかみやすい点が特徴です。

診断結果で分かることと分からないこと

赤外線診断で分かるのは、浮きや剥離の疑いがある場所と広がりです。一方で、すき間の深さや原因を赤外線画像だけで断定することはできません。必要に応じて、目視や打診などを組み合わせて確認することが大切です。

 

外壁の浮きが起こる仕組みと放置リスク

外壁の浮きは、建物が古くなったときだけに起こるものではありません。施工時の状態、雨水の影響、温度変化による伸び縮みなど、いくつかの要因が重なって発生します。

モルタルやタイル下地に生じるすき間

モルタル外壁やタイル外壁では、仕上げ材と下地の間に密着していない部分ができることがあります。このすき間が外壁の浮きです。はじめは小さな範囲でも、雨水や振動、温度変化の影響で少しずつ広がる場合があります。

雨水の侵入や外壁材の落下につながる可能性

浮いた部分にひび割れが重なると、雨水が入りやすくなります。内部に水分がたまると、下地の劣化や鉄部のさびにつながることもあります。また、タイルやモルタル片が落下すれば、通行人や車両に危険が及ぶおそれがあります。

戸建てやマンションで確認したい外壁のサイン

ひび割れ、タイルのずれ、外壁表面のふくらみ、雨だれ跡、塗膜のはがれは確認したいサインです。戸建てでは軒下やベランダ周辺、マンションでは共用廊下側や道路に面した外壁も注意して見ておくと安心です。

 

赤外線サーモグラフィによる建物診断の仕組み

赤外線サーモグラフィは、外壁から出ている赤外線を読み取り、温度の違いを画像にする機器です。建物診断では、この画像をもとに外壁の状態を確認します。

日射による温度変化を利用した確認

外壁は日中に太陽の光を受けると温まり、日が傾くと少しずつ冷えていきます。浮きがある部分は熱の伝わり方が変わるため、周囲と違う温度として表れることがあります。この変化を利用して、異常が疑われる場所を探します。

健全部と浮き部の温度差の読み取り

健全な部分は下地まで熱が伝わりやすく、温度の変化も比較的なめらかです。浮きがある部分は空気層ができるため、熱がこもったり冷め方が違ったりします。赤外線画像では、こうした違いを色の差として確認します。

画像解析と現地確認を組み合わせる理由

赤外線画像には、浮き以外の要因も写ります。外壁の汚れ、配管の位置、日陰、周辺建物の反射などです。そのため、画像だけで判断せず、現地での目視確認や建物情報と照らし合わせることで、診断の精度を高めます。

 

赤外線診断が得意な建物と向いていない条件

赤外線診断は外壁の浮き確認に役立ちますが、どの建物でも同じように見えるわけではありません。外壁材、天候、時間帯、方角などで結果の読み取りやすさが変わります。

タイル外壁やモルタル外壁との相性

タイル外壁やモルタル外壁は、浮きによる温度差が出やすい場合があります。特に外壁面が広く、日射を受けやすい建物では、全体の温度分布を確認しやすくなります。マンションや事務所、工場の外壁調査でも活用できます。

天候や時間帯が診断結果に与える影響

雨の日や外壁がぬれている状態では、温度差が分かりにくくなります。強風の日も表面温度が変わりやすく、診断に影響します。晴天後の時間帯など、外壁が適度に温まり、温度差が出やすい条件を選ぶことが大切です。

外壁の色や方角による見え方の違い

濃い色の外壁は温まりやすく、淡い色の外壁は温度変化が穏やかになることがあります。南面と北面でも日射の条件が違います。赤外線診断では、建物の向きや外壁の色も考えながら画像を読み取ります。

 

打診調査や目視点検との違い

外壁調査には、目視点検、打診調査、赤外線診断などがあります。それぞれ確認できる内容や向いている場面が違うため、建物の条件に合わせて使い分けることが必要です。

足場を使う調査との費用と工期の違い

打診調査では、調査員が外壁に近づいて打診棒などで音を確認します。高所では足場や高所作業車が必要になることがあります。赤外線診断は離れた位置から外壁面を確認できるため、足場を抑えた調査計画を立てやすく、調査期間の短縮につながる場合があります。

高所や広い外壁面を確認しやすい利点

赤外線診断は、地上から見上げる位置や、ドローンからの撮影で広い外壁面を一度に確認しやすい点があります。マンション、倉庫、工場のように壁面が広い建物では、異常が疑われる範囲を整理しやすくなります。

赤外線診断と打診調査を使い分ける考え方

赤外線診断は、浮きの疑いがある範囲を把握するのに向いています。打診調査は、対象箇所に近づいて音の違いを確認できる点が特徴です。全体把握には赤外線、詳細確認には打診というように組み合わせると、無理のない調査につながります。

 

ドローンを活用した赤外線建物診断の特徴

ドローンに赤外線サーモグラフィカメラを搭載すると、人が近づきにくい高所や屋根まわりも確認しやすくなります。足場を組みにくい建物でも、点検の選択肢が広がります。

高所や屋根まわりを地上から確認できる点

戸建ての屋根、マンション上層階、工場の高い外壁などは、目視で確認しにくい場所です。ドローンを使うと、地上から操縦しながら対象に近づき、赤外線画像や可視画像を撮影できます。作業員が高所に登る場面を減らしやすい点も安心材料です。

マンションや工場など大きな建物での確認範囲

建物が大きいほど、外壁全体を確認する手間は増えます。ドローンを使った建物診断では、外壁面、屋上付近、屋根まわりなどを効率よく撮影できます。撮影した画像を整理することで、管理会社や所有者が状態を把握しやすくなります。

作業時の安全確保と建物利用への影響

足場を設置する場合、出入口や駐車場の利用に影響が出ることがあります。ドローン点検では、飛行範囲の安全確認や周辺への配慮は必要ですが、建物の利用を続けながら調査しやすい場合があります。事前説明と飛行計画の確認が大切です。

 

建築基準法第12条の定期報告と赤外線診断

一定規模や用途の建物では、建築基準法第12条に基づく定期報告が必要になる場合があります。外壁の状態確認は、安全管理の面でも重要な項目です。

外壁全面打診等との関係

外壁調査では、一定の条件により外壁全面打診等が求められることがあります。赤外線診断は、外壁の浮きや剥離の疑いを把握する方法として活用される場合があります。ただし、建物の条件や自治体の運用によって必要な確認内容が変わるため、事前確認が欠かせません。

管理会社やオーナーが確認したい報告内容

報告書では、調査範囲、撮影日、天候、使用機材、赤外線画像、異常が疑われる箇所、所見などを確認します。管理会社やオーナーにとっては、どの場所にどの程度の疑いがあるのかが分かる形で整理されていることが重要です。

調査時期と準備しておきたい資料

調査前には、図面、過去の点検記録、修繕履歴、雨漏りの発生場所などを準備しておくと確認が進めやすくなります。外壁がぬれている時期は診断に向かない場合があるため、日程は天候も見ながら決める必要があります。

 

赤外線建物診断を依頼する前に確認したいポイント

建物診断を依頼するときは、費用だけでなく、誰が診断するのか、どのような機材を使うのか、報告書に何が記載されるのかを確認しておくと安心です。

資格者による診断体制

赤外線画像は、色の違いを見ればすぐ判断できるものではありません。外壁材、天候、建物の形状を踏まえて読み取る必要があります。赤外線建物診断技能師など、専門知識を持つ担当者が診断する体制かどうかを確認しましょう。

使用機材と報告書の内容

使用する赤外線サーモグラフィカメラの性能や、ドローンの機種、撮影方法も診断品質に関わります。報告書には、赤外線画像だけでなく、通常の写真、調査位置、判断理由が記載されていると、後から状況を確認しやすくなります。

補修が必要になった場合の相談先

診断の結果、補修が必要と考えられる場合もあります。その際は、点検結果をもとに、内容に応じて適切な施工業者の紹介を受けられるか確認しておくと安心です。点検と補修の判断を分けて考えることで、建物の状態に合った対応を検討しやすくなります。

 

株式会社三結の赤外線建物診断

株式会社三結は、茨城県結城市を拠点に、関東近郊で外壁および屋根の点検を行っています。ドローンと赤外線サーモグラフィカメラを活用し、非破壊、非接触で建物の状態を確認します。

赤外線建物診断技能師による非破壊・非接触の点検

診断は、赤外線建物診断技能師が担当します。外壁の浮きや剥離、雨漏りの経路、断熱欠損など、目視だけでは分かりにくい状態を温度データとして確認します。建物を壊さず、外壁に触れずに調査できる点が特徴です。

産業用ドローンと赤外線サーモグラフィカメラの活用

産業用ドローンと赤外線サーモグラフィカメラを組み合わせることで、高所や屋根まわりも確認しやすくなります。外壁の広いマンション、工場、倉庫などでも、撮影範囲を整理しながら点検できます。足場を必要としない調査が可能な場合は、費用や日数を抑えやすくなります。

点検結果に応じた施工業者紹介の相談

点検後は、報告書をもとに建物の状態を確認できます。補修が必要と考えられる場合は、内容に応じて施工業者の紹介について相談することも可能です。点検だけで終わらせず、次に何を確認すればよいかを整理したい方にも向いています。

 

まとめ

赤外線を使った建物診断では、外壁表面の温度差を手がかりに、浮きや剥離が疑われる範囲を確認できます。目視だけでは分かりにくい劣化を画像で把握しやすく、高所や広い外壁面の点検にも役立ちます。 ただし、赤外線診断だけで外壁内部の状態をすべて断定できるわけではありません。

天候、時間帯、外壁の色、方角などによって見え方が変わるため、画像解析と現地確認を組み合わせることが大切です。必要に応じて打診調査などを併用すると、より具体的な判断につながります。

戸建て、マンション、アパート、工場、倉庫など、建物の形や使い方によって適した点検方法は異なります。外壁のひび、ふくらみ、タイルのずれ、雨だれ跡が気になったときは、早めに状態を確認しておくと安心です。建物診断で赤外線を活用することは、外壁の変化を見える形で整理し、これからの管理や修繕を考えるための備えになります。

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